社長にラブレター書くことになったから『万葉集』読んでみた ~歴オタの自学自習~
2013年10月23日
本日のブログ担当:タカラ
弊社スタッフブログへのご訪問ありがとうございます。
今しばらくお付き合いいただけると幸いです。
――――――――――
先日、このスタッフブログにて
“先輩がラブレターをもらった(けど心に響かなかった)”と
書いたところ、弊社の社長からツッコミをくらいまして
社長にラブレターを書くことになりました。
困った。困りました。
ラブレターを書くことはいささかも問題ないのですが、
さてどう書くか。
何故なら、社長が意味深なことを言ったからです。
「このブログに出てきた先輩、
ラブレターの内容は忘れても
もらったことは覚えていたんだね」
こ、これは、
『内容を覚えていられるような
ちゃんとしたものを書いてみろ』という通達では!!!
戦々恐々。
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かつて、転職活動をしていた頃(ほんの数ヶ月前)、
「応募書類はラブレターだ!」と、
とあるキャリアカウンセラーに力説されました。
『自分はこんなにすごいんだぞ』と先に書いては好きになってもらえない。
『あなたのここが好きです』が先、
『私と一緒にいたらこんないいことがありますよ』はその後だ・・・と。
確かに、相手を知らずして書くことはない訳です。
企業情報しかり、募集職種についての知識しかり、
それを踏まえて(=そこを好きになって)
応募する(=告白する)訳ですから
企業(=ラブレターを書く相手)のチャームポイントは揃えています。
それをいざ文字におこすと
「採用してほしい!」という気持ちがほとばしって、どうしても
(『自分はこんなにすごい』・・・とまでは行かずとも)
スキルや経験ばかり書くことに集中してしまいます。
熱意が深ければ深いほど、良くないラブレターになる訳です。
私がそのキャリアカウンセラーに見せた職務経歴書も
全く以てそのような内容でした。
好きで好きで仕方がないから、好いてもらうために一歩引く。
==========
そうだ、私は昔、社長に応募書類を見てもらっている。
既に一通目は受け取ってもらえた!
なぜ二通目に怖気づく!
そう自分を鼓舞しながら見ながら
「NHKプロフェッショナル」で
藤子・F・不二夫先生が
『毎回まっさらになって新しい作品に取り組む』という風なことを
仰っているのを聞き、また悶々。
==========
という訳で、まっさらになって
歴オタという特徴を活かすべく
大好きな『万葉集』を開いてみました。
※正確にはビギナー向けの解説本です。
私にイチから書くのは酷なこと。
既にある歌から思いを汲んでもらうことにしました。
さて、どの歌にしよう。
◆月立ちてただ三日月の眉根(まよね)掻き
日(け)長く戀ひし君に逢へるかも
《眉を掻くのは、恋しい方にお会いできる
おまじない(おもてなしではない)と言われております。
今掻きましょう。
そしたら、ずっとお会いしたかった貴方にお会いできるかも》
・・・会えなくても電話やメールがありますね、現代。
まだるっこしいことするなと叱られる。
却下。
◆夏の野の繁みに咲ける姫百合の
知らえぬ戀は苦しきものそ
《夏の野にひっそりと目立たず咲く姫百合のように
誰にも知らせられぬ恋は苦しいものですね》
・・・だめだ、良いアイディア湧いたら
すぐにアウトプットしろって言ってた。
却下。
以下、却下が続き、ようやく思いついたのは
◆戀ひ戀ひてあへる時だに愛しき
言尽くしてよ長くと思えは
《恋しい恋しいと思ってようやく会えた時だけでも
やさしい言葉をかけてくださいな、
長くお付き合いしようと思うなら》
ツッコミでも結構です。
がんばりますので声をかけてくださいませ。
==========
ここまでお読みいただいた方なら
察していただけるかと存じますが、
これは一人よがりのラブレターの典型です。
社長は万葉集など和歌が嫌いではないだろうか
まず自分は何を伝えたいのか
(会いたいのか、決意表明したいのか、ツッコミがほしいのか)
何かを伝えるために和歌を選んでいるのに
気づけば和歌を選ぶことが目的になり
選んだ和歌に乗せやすいメッセージを選ぶ有様です。
本末転倒。
目的と手段、5W1H、誤字脱字チェック etc....
一人よがり対策に、一度他の人に見てもらってください。
他の誰かにとって、応募書類の添削は
ラブレターの添削よりよっぽど引き受けやすい筈ですから。
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