大阪都構想

2015年05月19日

本日の担当:たかた

 

大阪都構想が反対多数により実現しないことになりました。

大阪生まれの大阪育ちの自分としてはホッとしております。

最後の最後まで判らない間一髪の壮絶な戦いでした。

それにしても70万人近い人々が賛成に回ったことに大変驚いています。

 

この都構想、どう考えても中身があると思えません。

ずっと以前から都構想の効果・効能についてメディアでも話題になっていましたが、

橋下氏は二重行政解消という言葉だけで明確に回答してきませんでした。(というより回答できなかった)

やっといくつかの象徴的な二重行政例が出てきたと思えば、

どれも原因は当時の為政者や行政担当者の判断ミスにすぎないものばかりでした。

もし近年の大阪の低迷が二重行政という構造上の問題に起因するのであれば、

同じ構造を持つ他の道府県や政令市も同じ普遍的な問題を抱えて悩んでいるはずなのですが、

いずれの自治体も大阪の個別的な問題にすぎないとして冷めた目で見ています。

そもそも”二重行政”という言葉自体が幻想なのではないかと思えます。

”民主的自治行政”を別の狭い角度から見ると”二重行政”という言葉を当てはめることができる

というだけのこと。

 

反対多数が確定した時に行われた自民党大阪本部の記者会見で、

橋下氏が知事になってから大阪の一人当たりの所得水準順位が下がりっぱなしであるとの

コメントがありました。

橋下氏がこれまで行ったことといえばひたすらコストカットを行い

(それも話題性ばかりで実効性が疑わしい対象ばかりで)

区長や校長を公募したり(そのうち何人もがスキャンダルやトラブルで任期前に辞任しています)

したことしか思い浮かべることができません。

橋下氏が知事に当選した当時ある評論家が”新風を吹き込んだ”というだけで終わるのではないか、

というコメントを述べていたことを思い出しました。

 

この7年間は一体何だったのか・・・。

今回の”住民投票騒動”は橋下氏のこれまで7年間に及ぶ失政の壮大な責任転嫁劇にすぎなかった

のではないか。

これで7年間の失政の責任を取って辞めるのではなく、住民投票に僅差で敗れて惜しまれながらも

潔く自ら身を引くという形で辞めることが出来た。

今回の住民投票の結果一番得をしたのは橋下氏自身ではなかったか。

あの晴々れとした橋下氏の敗戦記者会見を見るとそのように思えてなりません。

だから勝った側も空虚なむなしさだけが残ったように放心状態なのではないと思います。

この空白(というより損失)の7年を埋めるべく、これから大阪は官民挙げて回復努力をする

必要があるでしょう。

お祭り気分で幻想を追うのではなくもっと地道な努力を大阪市民に期待したいと思います。

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