日本の素晴らしさと愚かさ

2015年03月12日

本日の担当;たかた

 

私が毎朝聴いている地元のKBS京都ラジオ”笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ”で、

笑福亭晃瓶さんがなるほどと思うことを言っていました。

 

それはリスナーと雑談するだけの他愛のないコーナーなのですが、

そのなかでリスナーがたまたまシンガポールに旅行に行った話題が出て、

ゴミが全然落ちていなくてとてもきれいで素晴らしい国だよね、といった会話が出たときに

笑福亭晃瓶さんが

「でもあれは、法律で厳しく取り締まってるから清潔なんであって、

法律がないと汚くなってしまうから法律で取り締まっているんですよ。

それに引き替え日本は法律で厳しく取り締まらなくてもきれいな国なんですよ」

と言ったのです。

 

なるほど、と思いました。

日本は、ここ京都でも昔から「角掃き」という言葉があって、

毎朝自分の家の周りを掃除する習慣がありますが、

これは規則ではなく文化として定着している行為なのです。

 

シンガポール関係で、もう一つ。

 

先日池上彰氏の番組で、大阪の諸問題の解決手段をシンガポールに求めるというのがありました。

そのなかで、例のカジノの問題を取り上げていました。

カジノ問題では「犯罪増加」と「ギャンブル依存症増加」が懸念されていますが、

シンガポールにも巨大なカジノ施設が近年できたが、

カジノができても犯罪件数は相変わらず非常に少なく、

また、ギャンブル依存症対策としてカウンセリング体制が整備されているから大丈夫との事でした。

 

とんでもない勘違いと言わざるを得ません。

 

上にも書きましたようにシンガポールはもともと法律が厳しくて治安がいいのです。

厳罰主義が国民の中に浸透していて、かつ国民所得や教育のレベルも高いからこそ、

警察の取り締まりや行政の統治が良好に行われているのです。

 

一方大阪はどうですか。

犯罪件数、生活保護世帯数は他の都道府県に比べて非常に多い地域です。

こんな場所にギャンブル天国なんぞ作ったらどうなるか。推して知るべしです。

 

また「カウンセリングの体制が整備されているからギャンブル依存症は大丈夫」なんて、

よく言えたものだと思います。

 

考えてみてください、アルコールにしろ薬物にしろ、

カウンセリングを受けるのは相当依存症が進んでいるときです。

仕事もまともにできなくなって家族にも迷惑をかけるようになってから、

やっと家族が無理やりカウンセリングに行かせるのです。

 

日頃大酒を飲む人が、

「今月はお酒の量が多かったからカウンセリングにでも行こうかな」

なんて明るく前向きなカウンセリングの受け方などけっしてしません。

なぜなら、「しばらく控えましょう」と言われて、しばらくお酒が飲めなくなるのが怖いからです。

依存症のカウンセリングを自ら積極的に受けれる人はそもそもカウンセリング自体必要ないのです。

 

大阪がシンガポールや東京のまねをするのは、

犯罪件数や生活保護世帯数が少なくなって、

大阪府市の財政に余裕ができてから考えるべきです。

それまでは地道な努力を継続すべきです。

 

治安が悪く、住民が貧しく、それに対応する充分な財政力がないにもかかわらず

諸外国の第一級都市や東京と張り合うため、

それをばくちで実現しようなど根本的な考え違いであると言いたいです。

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