表現の自由の考え方
2015年02月25日
本日の担当;たかた
仏風刺画週刊誌について、また考えさせられました。
先ごろかのアニメーション映画監督の宮崎駿さんへのインタビューを読売新聞の配信で読みました。
その内容は、
「異質の文明に対して、崇拝しているものをカリカチュア(風刺画)の対象にするのは、
僕は間違いだと思う。やめた方がいい」
というものでした。
このコメントの中の「僕は間違いだと思う。やめた方がいい」というところが
欧米と日本の「表現の自由」に対する考え方の決定的な違いのように思います。
私が考えるに、欧米における「表現の自由」とは絶対不可侵のものであって、
ある表現に対して何ぴとも忌避する権利はあっても
それをやめさせる権利はないという考え方が徹底しているのだと思います。
(※もちろん、テレビ放送のように忌避するのが難しいメディアでは自粛が求められますし、
また、誰かの表現によって被害を受けている場合は合法的な抗議は認められてしかるべきです。)
仏風刺画週刊誌の掲載画はイスラム教徒ではない私が見ても不愉快に感じます。
しかしだからと言って「やめなさい」はないだろう、というのが欧米の感覚なのだと思います。
こうした場合、無関係な第三者であれば見ないように忌避すればよく、
実際、当の風刺画週刊誌の発行部数を見ても大した部数ではないそうなので、
フランスの一般市民の多くは好みに合わないとして無視しているのでしょう。
アニメーション映画監督ということであれば
「表現の自由」の恩恵を最も享受している人の一人であるはずなので、
欧米の感覚に近いものを持っているのではないかと思っていたのですが。
昔、小学校の写生の時間の時のこと。
校舎の煉瓦の並びがとても美しく感じられて、
私がきっちりと写実的に描いていると、
先生から「もっと『のびのび』と描きなさい!!」と叱られたことがありまして、
その時と同じような違和感を感じてしまいました。
更にその配信には「インタビューの発言で、風刺画は『まずもって自国の政治家に対してやるべきだ』
とも指摘した。」
ともあって、
「自国の政治家であれ誰であれ、どんな人にも失礼なことはやるべきではないだろう」とも思った次第です。
最新の記事
-
2015年07月14日
-
2015年07月13日
-
2015年07月10日
-
2015年07月09日
-
2015年07月08日
月別アーカイブ
- 2015年7月(10)
- 2015年6月(23)
- 2015年5月(18)
- 2015年4月(21)
- 2015年3月(22)
- 2015年2月(19)
- 2015年1月(19)
- 2014年12月(19)
- 2014年11月(19)
- 2014年10月(22)
- 2014年9月(20)
- 2014年8月(16)
- 2014年7月(23)
- 2014年6月(21)
- 2014年5月(20)
- 2014年4月(18)
- 2014年3月(30)
- 2014年2月(27)
- 2014年1月(19)
- 2013年12月(10)
- 2013年11月(18)
- 2013年10月(20)
- 2013年9月(17)
- 2013年8月(9)
- 2013年5月(1)
- 2013年4月(16)
- 2012年10月(7)
- 2012年9月(3)
- 2011年12月(6)
- 2011年11月(9)
- 2011年10月(2)