名古屋以西のリニア新幹線がどこを通るか
2014年12月09日
本日の担当:たかた
名古屋以西のリニア新幹線がどこを通るか。
いまのところ奈良を経由する公算が高いようです。
そこで現在新幹線の経由地である京都が何とか誘致しようと懸命で、
奈良か京都かで論争が盛んです。
今回の問題では別に京都をひいきするつもりはありませんが客観的に
意見を述べさせていただくと、やはり京都のほういいでしょう。
奈良派の意見の大半は、奈良には京都に勝るとも劣らない観光資源が
あり観光客をもっと誘致して奈良の観光資源を有効活用すべきなのに、
交通の便が悪いために有効活用されていない、との意見です。
しかしこの意見はかなり無理があるように思います。
観光地には特徴があって、奈良市の観光資源は極めて古い神社仏閣、
仏像、遺跡関係が中心であるため、宿泊して街そのものを楽しむという
要素が極めて少ないという特徴があります。
一方、京都市の観光資源は前記に加えて古くからの老舗や町屋や
生活様式に至るまで街全体が観光的要素を持っており、舞妓はんや
茶屋など古くから培われてきた「おもてなし」の文化が残っています。
では奈良市を京都市のような観光地に仕立て上げるにはどうすればいいか。
まずホテルや旅館など多くの宿泊施設を新たに建設しなければなりません。
さらに多くの土産物屋やしゃれた飲食店なども必要でしょう。
そして、宿泊の夜を楽しく過ごすために歓楽街も作らなければなりません。
(近鉄新大宮駅あたりが歓楽街といえますが、京都とは比べるべくもありません)
つまり大々的な町の再開発が必要ということですが、
(この再開発を奈良派の人は期待しているのでしょうが)
奈良という町は昔の遺跡の上に乗っているようなもので、掘ればいたるところに
遺跡が出てきます。
そうした場合役所に発掘届を出して発掘調査をしてもらうよう義務付けられています。
それは京都も同じでしょうが奈良のすごいところはその発掘届が年間2000件にも
上るというところです。
そのような地域の再開発がどれだけ困難を伴うか想像に難くありません。
しかし、それでも場所の選定を慎重に行えば不可能ではないでしょう。
ところが、ここに極めて解決しがたい課題が横たわっているのです。
ここに全国の県民性をまとめたサイトがありますのでご覧になってみてください。
http://www.netricoh.com/contents/officelife/kenmin/column/nara_c.html
奈良県民はおよそ客商売に向く県民性ではありません。
(尚、このサイトは県民性の優劣の評価を意図したものではありません)
これは奈良に観光に行った人なら多かれ少なかれ感じたことがあると思います。
こういう人たちが大々的に客商売に走ればどうなるか。
どうにもなりません。
接客スタッフを京都・大坂から大量に投入すれば解決しそうですが、
それでは奈良県民の雇用機会が失われ、誰のための奈良振興なのか訳が
わからなくなります。
「いや、環境が変われば奈良県民の気立ても変わってくる」と言いたい人も
いるかもしれませんが、甘い、甘い。
奈良県民の気骨は絶対に変わらないという自信があります。
変わるものであれば交通・通信網が発達して何十年もたつ今日、既に
変わっています。
これはなぜかというと、私の想像では、「春日大社の鹿」の存在が大きいのだと
思います。
奈良の人々は今日に至るまで1千年以上の長きにわたって「春日大社の鹿」を
神の使いとして大切にしながら生活してきました。
「春日大社の鹿」とともに生活することによって、穏やかな気持ちになると同時に、
鹿の粗相など少々のことには忍耐づよくおおらかに接する気持ちがもはや
遺伝子レベルにまで達していると言っていいでしょう。
つまり、あくせくする性格の人は奈良では生きていけず淘汰されているのです。
これからも末永く春日大社を頂きながら鹿とともに、穏やかに、静かに、誠実に
生きていきたい。
派手な生活など望みではないと思う奈良県民がサイレント・マジョリティとして
存在しているというのが私の見方です。
ですので、観光を視野に入れるのであればやはり京都に通すのが筋であり、
もし奈良に通すのであれば、京都・大阪・名古屋の富裕層や高収入サラリーマンの
居住地として誘致するほうが奈良の素朴で、静かで、自然が豊かで、そして
以外と経済的にも豊かな特徴が活かせると思いますが、奈良を京都・大阪化
するのは大間違いと言いたいです。
最後に、奈良の特徴を表す端的なコメントが前記のサイトに載っていました
のでご紹介します。
《日本一「死なない」人々が住む奈良県》
悲しいことに、日本全国では毎年のように3万人以上の自殺者が出ているという。
しかし、そんな暗い世の中にあって、この奈良県だけは、自殺とは縁遠い県民性といえる。
人口当たりの自殺率、47位。つまり日本一自殺者が少ない県なのだ。
奈良はもともと土地が豊かで、温暖で天災も少なかった地域。
そのため、のんびりした人が多い県民性。
消極的な性格を表現した「奈良の寝だおれ」などという言葉もあるが、
思いつめない、悩まない、という面では、こののんびりさが一番だということ
なのだろう。
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