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・・・であればその採用は再考されたほうがよろしいかと~転職者のモノローグ 4章

2014年11月21日

本日の担当:鬼退治
 
採用形態に中途採用、キャリア採用がありますが、非公式に即戦力
採用というふうにも言われます。
この即戦力という言葉の裏側に潜む思考が転職者へのいびつな要求と
人を活かす風土を断絶する道具としての見かたを生み出してしまうのです。
そもそも、即戦力といえるような人材が自組織の外部に存在するのでしょうか。
高い技能や技術、スキルだけでなく、その組織の既存社員と同様の
振る舞い、思考・行動様式まで求めてしまうことがよくみられるのです。
ここに恣意性を感じ転職者にとって大きな負担となるのです。
組織内部では、その良し悪しは別として用いることは可能となるでしょう。
社員の能力を一面的に悪意で持って判断する時がそれです。
故にその概念が生ずることにより組織内部には即戦力が存在することに
なります。
 
それは自組織の社員を尊重しない態度である為、内外から人材を採用
する資質を問われることになり、採用によって組織力を強化しようとする
ことと逆効果になります。
即戦力なるイメージ用いた時、特徴的な負の側面が表面化します。
 
一つは、その恣意的なイメージに凝り固まって実際とのギャップを
感じたときに即戦力なるものとして採用された転職者や採用そのものに
負の感情を向けるのです。
何故ならば、その妄想的なイメージが実体であり、そこに達していないのは
転職者の資質であると思い込んでいるからです。
そこには救いようのない強固な思考があります。
そのような目が向けられるとその人材は委縮し、本来の力を発揮することは
容易ではないのです。
 
二つ目は自社の教育体系や能力構築、業務プロセスに至るまで検証、
改善の発想を封じ込めてしまうのです。
前に述べたことと関連しますが、即戦力という言葉を使うことで使えるか
使えないかの道具的な愚劣な判断をしてしまうのです。
本来であれば、有能な人材を迎い入れるために、能力を活かす為に
どう改善するか、新たな取り組みの発想が出てくるはずですが、即戦力と
いう危険な言葉は人に向かい組織と人の成長機会を奪うのです。
 
三つ目は自社で経験のないビジネスプロセスや経験を尊重する意識を
奪ってしまうことです。
自組織の外に即戦力と言える人材がいないということは自組織にない
経験やセオリー、ビジネスプロセスを有しているからです。
したがって、自組織の経験を有しているのが件の即戦力というのでは
ないでしょうか。
もし、自組織以外でこのような経験を有していない採用であれば一般的には
新卒採用となるのだと思います。
その貴重な転職者の経験に対して尊重することなく、当然の所有物として
みなすことが卑しいのです。
このことから即戦力という言葉を用いた途端に自社にない貴重な経験を
尊重しようという意識が無くなります。
挙句の果てには建設的な意見を述べたとしても寛容さが無い為転職者の
貴重な経験を尊重することなく他社の色に染まっているから中途採用は
上手くいかない等と言う始末です。
そこに自身の能力、組織能力を高める意識がありません。
 
つまりは即戦力という虚しい言葉は採用の中で使わない方が組織にとって
良いのです。
転職者を尊重せず、活かす為に工夫や手間をかけないのであればその
採用は再考されたほうがよろしいかと・・・

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