災害から学ぶ土木事業

2014年09月10日

本日の担当:たかた
 
広島の土砂災害。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された
方々にお見舞い申し上げます。
 
今回の災害、想定外の局地的な大雨が襲ったことが原因ですが、
もうひとつ災害対策が充分ではなかったとの意見もあります。
 
この場合の災害対策には二通りの意味があります。
 
一つは大雨発生後の避難勧告などの行政の対応、そしてもう一つは
災害予防措置です。
 
今回は後者の災害予防措置について思うところを述べます。
 
今回の災害における最大の予防措置は砂防ダムの建設であったそうです。
 
通常山際への開発の際にはその地形が土砂災害の危険性があるかどうか
判断できるはずで、危険地域には砂防ダム建設の措置が取られます。
 
ところがいまの日本には土砂災害の危険地域は無数にあるのですが、
砂防ダムの建設は遅々として進まないそうです。
 
その理由の一つは土木公共事業に対する反対が相変わらず多いから
だそうです。
 
かつて日本は莫大な土木公共事業を実施してきましたが、近年土木公共事業は
縮小の一途をたどってきました。
 
その結果、近年の異常気象に耐えきれず甚大な被害をこうむる地域が多数
出てきています。
 
また、土木建築を支える人材のすそ野が縮小してしまって、需要はあるのに
人手不足で倒産する中堅土木建設企業が多数出ているそうです。
 
土木事業は厳しい仕事ですが、それでも何かを多数の人々と作り上げていく
喜びを最も強く感じられる仕事であり、また極めて広い範囲で雇用を創出
できる事業でもあります。
一説よれば豊臣秀吉の大規模土木建築好きは多くの人心を取りこむ
政略的な意味もあったとさえ言われています。
 
いまこそ土木公共事業を見直し、日本の産業構造の歪みを是正すべき時で
あると思います。

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