採用の意思決定(10)

2014年09月03日

本日の担当:鬼退治
 
採用という現象は組織に流れる空気を分節化することが出来る
特殊性を帯びた装置と言えます。
組織には様々な装置が存在していますが、それらの装置は実体として
装置を必要とする時にしか表出しないもの、常に存在しているもの、
関係性の中で存在するもの、存在するものの数年に一度、存在は
していても表出しないものと様々あります。
また、その役割も様々です。いずれも装置を構成するのは、言語であり
言葉遣いだといえます。
そこから歩をすすめると振る舞いへと変化し、組織の様式に繋がって
いくのだと考えます。
採用をするということが組織内の言語、業界、社会的言語等々が
情報処理され心象的にイメージ化され具体化するという手順を踏んで
います。
このイメージ化と具体化が重要なポイントなのです。
この場合具体化は行動化ではありません。
さらに言語に還元していく作業な訳です。
だからこそイメージ化は言語を誘発することが必要となります。
その言語が磁力と熱、ベクトルをもって装置を構成していきます。
この惹きつける強度、適切な緊張感、向かう先の方向を示しています。
これは容易いことではありません。
強度の境界が自己抑制の中で設定することや緊張を過剰に反応して
緩めた状態を適切と考えてしまうこと、ベクトルの先端の位置を決め
なくてもよいことなどにより言語だけが浮遊した状態となり、
正しいあり方としての分節装置として働かないのが多いのではない
でしょうか。
普段から使用する奥底で考えている醜さを露呈させてしまっている
現実があります。
例えばパートさん、アルバイトさん等と身内にさんを付けて呼ぶこの
意識の背後に何があるのかはここでは論じませんが醜悪です。
また、我が社はじんざいを人財と書く等と言葉遊びしたり、我が社の
強みは人だ。組織にとって一番大事なのは人だ。
とのたまうこと、これ自体否定するものではありませんがそれを表明
するうえでの覚悟が無いと表明すべきではないと考えます。
その為に奥底にある意識に決着をつけるのか否かを決定することが
採用の意思決定になるのだと思います。
その決着の仕方次第でオートマティックに装置が駆動し始め良い文節化
つまり良い空気を満たすようになるのです。

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