【大掃除で】14歳の私から未来の私へ【大爆笑】〜歴オタの自学自習〜
2014年05月26日
本日の担当:タカラ
こんにちは。アルファテックの歴オタ、タカラです。
本日も弊社スタッフブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
※今回、文中に「夷」という言葉を使ったので、解説の意味を込めて
文末に参考URLを掲載しております。
ご参照いただけますと幸いです。
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毎年、GWを大掃除やら衣替えに充てておりまして
今年もそれは例にもれず
押し入れに頭を突っ込んで掃除をしておりました。
最近は、使い終わったものやもう使わないものと「お別れをする」と
大変気分がすっきりするということに気付きまして
「引き算の大掃除」をするようになりました。
しかし、なかなか引き算できぬものも中にはございます。
その一つが写真やらお手紙、いわゆる「思い出の品」でございます。
「思い出の品」の箱から引き算できるようになったら、その自分は
今の自分と大きく違うんだろうなと想像に難くありません。
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さて、そんな箱の中に、中学生の私が未来の私に書いた手紙がありました。
私の中学校では、毎年、成人の日前後に2年生が20歳の自分に宛てた手紙を書き、
それをタイムカプセルに封入します。
中学校2年生と言えば、14歳から15歳に上がる学年。
昔で言う「元服」、大人と見なされた頃です。
従って、このタイムカプセル企画は
「元服した自分から、現代日本で成人を迎えた自分へ手紙を書く」というものでした。
私、現在齢3X歳。
当然、10年以上前にこの手紙を目にしております。
内容も何となくは覚えておりました。
当時好きだった(そして今も大好きな)マンガの事が書いてあったな、と。
しかし、今回、押し入れの埃まみれになりながら再読して
大混乱ののち、大爆笑しました。
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マンガのくだりは記憶どおりでございました。
しかし、20歳の時分に読み返した時の記憶からすっぽり抜け落ちている
フレーズがあったのです。
*********************
14歳の私曰く
『歴史って、今のあなたの役に立っていますか?』
*********************
…………。
うぉぉぉぉぉーーーーいいいいいい!!!!!
え、私、そんなに中学生のとき、歴史(社会科)の授業嫌いだったっけ???
今、曲がりなりにも『歴オタ(歴史オタク)』ですけど?
今、その名前でスタッフブログ書かせてもらってますけど?
御蔭で色んな友達ができましたけど?
えっと、中学生の頃は歴史という『外つ国(とつくに)』に対して鎖国してたの?
いつ開国したの? 私の黒船は何だったの? 知らない内に文明開化なの?
あと、20歳の時は衝撃を受けた記憶がないんだけれど、あの頃はまだ攘夷思想だったの?
そもそも歴史って夷(外のもの)だったっけ?
攘夷って事は他に守ろうとするものが身の内にあったということ???
いや、もう、びっくりしました。
パソコンだったらフリーズして再起動が必要なくらい、処理能力を超えた事態でした。
____________________
しかし、同じく記憶から抜け落ちていたその続きのくだりを読んで
3X歳の私は「あぁ、成る程」と納得するに至ります。
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そこには、将来への不安が書いてありました。
早く働きに出るために商業高校に進学するか、勉強したいから進学校に進むか、
大学進学できるほど家計にゆとりがあるか母に尋ねてもいいものか、
進学した後は何の職に就くとスムーズに奨学金が返せるか。
中学生ながら、真剣に、一生懸命悩んでいる私がいました。
当時の私が一番好きだったのは数学と理科で、理科の中では生物を扱う
単元がお気に入りでした。
(ホルモンとか酵素とか、被子植物とか裸子植物とか、アオミドロとかミカヅキモとか。)
これらをもっと勉強したくて進学したいと思っておりました。
また、当時、学生同士で「文系の学部より理系の方が、就職の時に有利」と
まことしやかに囁かれておりました。
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14歳の私は、「歴史って、今のあなたは面白いと思う?」とは書いていません。
「役に立っているか?」と尋ねていました。
小さな頭で一生懸命考えていた中学生の私にとって
「年号や出来ごとの順序を覚えるだけ」の『社会科の歴史』は
将来の役に立つものにカウントできなかったのでしょう。
勉強したいジャンルとして収めるほどのキャパシティもなかったのでしょう。
身の内に納めることはできない、自分の役には立たなさそうな、でも面白そうな夷(外のもの)。
けれど、決して嫌いではなかった。
20歳に初めてこれを受け取ったとき、進路(大学での研究室選択)で
頭を悩ませていた自分も、同じように歴史を
「役に立たないけど、嫌いではないもの」と見なしていたので
違和感なく前述のフレーズを受け入れ、それで記憶から抜け落ちたのでしょう。
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そこまで思い至った時、大爆笑しました。
まぁ、何て面倒臭い中学生だったの、私!
でも、まぁ何て愛おしい!!!
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14歳の自分に、今の自分なら『とても役に立っています』と応えます。
ええ、とても役に立っていますよ。
ただ、恐らく、あなたの思う「歴史」が、今の私が考える「歴史」と少しずれています。
「歴史」は年号や順序ではなくて、人や国家のドラマのようですよ。
また、あなたの言う「役に立つ」よりも、私の遣う『役に立つ』の方が
意味する範囲が広いようです。
役に立たないからといって、あなたはそれを専門分野には選ばなかったかもしれない。
けれど、心のどこかで捨てきれなかったから、少しずつ自分の中に蓄積していったのでしょう。
一生懸命悩んでくれてありがとう。捨てきれずにいてくれてありがとう。
どんなことも経験になる、ということを、14歳の自分から学んだGWでした。
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【関連URL】
①[夷(えびす)|goo辞書] http://p.tl/72Hl
1. 古代中国で、東方の未開人の称。また一般に、異民族。未開の民族。
(上記URLから引用)
「未開」というだけでなく、「外からの脅威」という意味も含まれていると
読んだことがあります。「征夷大将軍」という言葉もここから来ています。
②[東夷(とうい)|Wikipedia] http://p.tl/4iiG
「東夷・南蛮・北狄・西戎」は東西南北の
異民族を指すときに使われた言葉だとか。
えびす(夷や戎)には、「文化の届かない未開人」という
蔑視も込められていましたが、
一方で「恵比寿神」のように外つ国から来る恵みをもたらす者でも
あったそうで、なかなか複雑でございます。
心中複雑な人間というものが、歴史や言葉の作り手・語り部になので
歴史や言葉が複雑な意味を孕むのも
当たり前といえば当たり前ですね。
③[重耳|講談社BOOK倶楽部] http://p.tl/TXHa
北狄(白狄・赤狄)という言葉が登場します。
宮城谷昌光さんの小説は言葉と歴史と漢字の勉強になります。
うん、やっぱり歴史は面白い。
一筋縄ではいかない、面倒臭いところが面白いですね。
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