雪の朝、心あたたまるイチャイチャ ~歴オタの自学自習~

2014年01月16日

 本日のブログ担当:タカラ

※お願い※

タイトルをご覧になって
 「何だこのスタッフは!
 会社のブログで何といかがわしいことを!
 けしからん!」
・・・と思われた読者の皆さま、ご安心下さい(?)
ちゃんと万葉集に話を持っていきますので
どうか一瞬だけここは看過をお願い申し上げます・・・。

 

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本日も弊社スタッフブログにお越しいただき
まことにありがとうございます。

 

今しばらくお付き合いいただけますとこの上ない喜びでございます。

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“わが里に大雪降れり
 大原の古(ふ)りにし里に降らまくは後(のち)”

 僕のいる飛鳥の里には今、大雪が降っているんだよ。
 君のいる古ぼけた大原(※飛鳥の地名)には
 もっと後に降るんだろうねぇ。
 (いいだろう、羨ましいかい?)

 

“わが岡の おかみに言ひて 降らしめし
 雪のくだけし そこに散りけむ”

 あらやだ、私の里の神様にお願いして
 降らせていただいた雪の
 そのカケラがそちらに降っただけですわ。
 (なのにご自慢なんかなさって!)

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・・・・・・・・。

まるで遠く離れたカップルのやり取りのようですが
この彼/彼女、1kmも離れていなんですよ。

しかも、「大雪」って言ってるけれど
当時の奈良って
大雪ってほど大雪じゃなかったらしいですよ?

何でしょうか、このかわいらしいカップルは。

 

これが

 天武天皇 と その奥様の一人・藤原夫人(「ぶにん」とよみます)

・・・のやり取りだなんて。

 

高位(皇位)の方々が
かわいいやり取りなんて
嗚呼、心ときめかずにはおれない!

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私は万葉集が好きなだけで
学術的な知識は持ち合わせておりません。

なので、言葉遣いであったり
当時の風習であったり
そういったものを下敷きにした解釈は
まったくできません。

なので知識を全部さっぴいてパッと眺めた印象で感想を申し上げますと

 素直で かわいくて 愛しくて
 ただ文を送りたい 気にかけてほしい

そんな初々しさが垣間見えて心温まりました。


天武天皇と藤原夫人は父と娘ほど
年が離れていらっしゃった奥様だそうです。

それを知ると、親戚の子をかわいがるおじ様と
精一杯背伸びしてやり取りしようとがんばるお嬢さん、のようにも見えます。


このブログで「何かを伝えるツール」としては
よく応募書類(履歴書、職務経歴書)に言及いたしますが
何かを伝えるときに一番大切なのは

  想い

なのだと、改めて感じた雪の朝でした。

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[参考図書]

犬養孝 『万葉の人々』 (新潮文庫)

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