宇治山と、一致しない ~歴オタの自学自習~

2013年10月30日

本日のブログ担当:タカラ
 
弊社スタッフブログへのご訪問ありがとうございます。
今しばらくお付き合いいただけると幸いです。
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・・・一致しない。
 
何が一致しないかと申しますと、
私の上司と喜撰法師が一致しない。
 
突然何を言い出すんだと思われたことと存じます。
ブログのネタが思いつかないときは
上司を眺めるという自分マニュアルにしたがって
上司を眺めていたのでございます。
 
私の上司は宇治エリア出身。
宇治といえば、私にとっては幼い頃より慣れ親しんだ
百人一首(※主な用途:坊主めくり)の
 
“わが庵は 都のたつみしかぞすむ 世をうぢ山と人はいふなり”
 
・・・を思い出すのであります。
 
宇治、うぢ、憂し・・・私の破天荒な上司に
憂う姿は、似合わない、というかイメージが一致しない。
 
そんなことを言えば、上司に限らず
宇治エリアにお住まいの方は
すべからく憂いを帯びることになるので
イメージが一致する・しないが随分乱暴な話だとは
頭ではわかっております。
 
しかし、頭にこびりついたイメージはなかなか払拭できないのです。
 
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上記、一致しない話でございますが
最近、再読した作品に嬉しくなる
「一致する話」が載ってございました。
 
梨木香歩『f植物園の巣穴』、主人公が幼い頃
面倒を見てくれた姉やの千代が
アゲハチョウの幼虫が食べる葉をことごとく言い当てるシーンです。
周りにあふれる緑の中からアゲハチョウの幼虫は
ミカンの仲間の葉を食べるという
共通項(一致点)を見出した千代に
私は心から尊敬の念を覚えました。
 
そういえば、私も、
(アゲハチョウではありませんが)モンシロチョウが
キャベツ、白菜、大根の周りを飛んでいる姿から
この3つが同じ種類なのかなぁと考えたことがあります。
(ちなみに上記3つはアブラナ科です。)
 
一致するものを見出すというのは
嬉しくたのしいものですね。
 
それにしても、千代が教えてくれなければ
私は山椒がミカンの仲間だと未だ知らなかったでしょう。
千代さんすごい!
 
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人の考え方や思いは、自然現象より共通項を見出すのが
難しいものだと思います。
 
もちろん、宗教や文化的背景、育った環境で
似通ることもありますが、基本的に個々人の考え方は違っております。
 
違うからこそ、それがぶつかり混ざり合うときにより良いものが生まれ、
時に進化や革新につながってまいります。
 
それでも、まったく違うものが混ざり合うのは難しく、
時として対立を生むのも又事実です。
 
違うものが混じる時、それは
一致点が見つかった時ではないでしょうか。

違うから一致したら嬉しい、違うから混じる意義がある、
違うから良いものが生まれる。
 
なんとも不思議なものでございます。
 
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そんなこんなで、
上司と喜撰法師の一致点が見出せたら
もっと業務がたのしくなるんだろうかと
業務に関係ないことを考える日々です。

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