バラに事寄せて ~歴オタの自学自習~

2013年10月28日

本日のブログ担当:タカラ
 
弊社スタッフブログへのご訪問ありがとうございます。
今しばらくお付き合いいただけると幸いです。
――――――――――
 
1.ワレモコウ
 
秋の花のひとつにワレモコウがあります。
 
私の自宅近所のお花屋さんで
まれに一本100円で売られているので
見かけたら買って台所に飾っております。
 
ワレモコウ、漢字で書くと『吾亦紅』
 吾れ(われ)も 亦(また) 紅である
 
少し黒味がかった、秋の雰囲気にマッチした色ですが
確かに紅に違いありません。
 
江國香織のエッセイ『泣く大人』で
このワレモコウもバラの仲間だと知りました。
 
紅と一口に言えど、様々あるものでございます。
 
――――――――――
 
2.サクラ
 
京都の観光名所のひとつ、哲学の道。
春のサクラの盛りには多くの方が訪れます。
 
春の花も良いものですが、
夏の青葉も
色づいた秋の葉も
雨に濡れた時の荘厳さすら感じさせる樹肌の色も
得も言われぬ風情をかもし出しており、
いつ歩いても何かしら発見のある小道です。
(毛虫には気をつけないといけませんが。)
 
サクラもバラ科です。
 
染色家・志村ふくみの『一生一色』で
サクラの樹肌から美しい淡紅色が染まると読み、
樹肌の色とのギャップにくらくらとしました。
 
どこに、何がひそんでいるかわからない。
これをポテンシャルと呼ぶのかもしれません。
 
――――――――――
 
3.ジョセフィーヌ
 
弊社の京都営業所のすぐ近くの一軒家、
それはそれは丹精こめてバラを植えられているお宅があります。
 
手のひらを優に超す紅の大輪
かと思えば手のひらにいくつも乗るような小さなピンク
暖色系に混じって凛とそびえる黄色
 
いつ見てもうっとりするほど美しく
これを育てられる方が
心をこめてお世話されているのがうかがえます。
 
バラを見て思い出すのはナポレオンの皇后
ジョセフィーヌ。
バラに魅せられた女性だったそうです。
 
それを知ったのは、学生時代でした。
 
私が住んでいた学生寮の共有スペースには
本棚がありました。
卒寮生が寄付した本や、自室に置ききれず
「卒業まで共有」という形で現寮生が置いた本で構成されており、
漫画も歴史小説も、non-noお料理大辞典も置いてある
バラエティに富んだ本棚です。
 
この中に池田理代子『女帝エカテリーナ』や『天の涯まで』といった
ヨーロッパの歴史を扱った漫画が置いてあったので
手に取ったのがきっかけでジョセフィーヌを知ったのです。
 
思えばあの寮は、
 ヨーロッパの歴史や日本史に詳しい諸先輩方
 レシピ本を開いている私に圧力鍋で腕をふるってくれる友人
 ゲームのことを実技(?)つきで教えてくれる後輩など
本棚に負けず劣らずバラエティに富んだ寮生で構成されていました。
彼女たちがいなければ、私はジョセフィーヌのことを
10年以上経って覚えていることはなかったでしょう。
 
本で知ったことをより詳しく教えてくれる能力を秘めた
『人財』の詰まった、宝石箱のような空間でした。
 
――――――――――
 
人材紹介、育成のお仕事に携わって思うのは
聞かねばわからないことが多すぎる、ということです。
 
考えてみれば文字だけで求職者の方のことも企業様のことも
すべてを知りえるわけがございません。
 
「紅」にも様々な色が含まれているように
樹肌から淡紅色が染まるように
見えないところに隠れたものを引き出すお手伝いをさせていただければと
考えております。
 
知識を噛み砕き伝えられる友人たちと出会えた経験から
「人」なしに組織はありえぬのだと
実感を持ってお仕事をさせていただいております。

ページの先頭へ