細胞と組織 ~歴オタの自学自習~
2013年10月11日
本日のブログ担当:タカラ
弊社スタッフブログへのご訪問ありがとうございます。
今しばらくお付き合いいただけると幸いです。
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今年もノーベル・ウィークがやってきましたね。
山中教授がiPS細胞で受賞したのがもう一年前と思うと
時間の流れの早さにただ驚くばかりです。
iPS細胞は医療への応用という観点から
よく新聞にも採りあげられており、
「何だかよくわからないけれど、すごい細胞だ」ということは
素人の私にも伝わってきます。
iPS細胞のすごいところは、今からどんな組織の細胞にもなれる
ポテンシャルを秘めているところだそうです。
確かに、よく考えてみると、 「私の体は全て同じ遺伝子を含む細胞からできている」 のに、
その細胞は目、皮膚、筋肉、皮膚・・・など 「見た目も役割も全部違って」 おります。
目は骨になりえず、骨は皮膚になりえず、元が同じだったと考えると
今の自分の体が非常に奇妙なものにも思えてくるから不思議です。
『みんなちがって、みんないい』 ですね。
まぶたの下に目が、骨の回りに筋肉が。
細胞は周りを見ながら、周りの影響を受けながら、
自分の振る舞いを決めています。
(決められているという方が正しいかもしれません。)
その目も黒くなるか、青くなるか、
皮膚が黒くなるか、黄色くなるか、白くなるかは
遠い昔のご先祖様から受け継がれてきたもので、
きっとその色はその環境で生存するのに有利だったのでしょう。
今の振る舞いが、過去の蓄積に影響されているというのも又、不思議です。
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ところで、 "組織" という言葉は会社の中でもよく聞かれます。
例えば、組織作り、組織の刷新、縦割りの組織・・・。
体の組織は "tissue"、人間の集まりは "organization" 。
違う英語が同じ日本語になっているのも奇妙(むしろ面白い)ですね。
そして、私はここも面白いと感じるのですが、
「周りを見ながら、周りの影響を受けながら振る舞いを決める」点も
「今の振る舞いが、過去の蓄積に影響される」点も
両“組織”で、とても似ているのです。
自分の手が空いたとき、同僚が大量のコピーに手間取っていたら
ちょっと手伝いにいく。
コピーのとり方にも、職場のやり方や自分の経験が影響を及ぼす。
そして、自分という細胞は、紛れもなく組織を作る一つとなっているのです。
上司と私、営業と事務、皆違う役割を果たしながら組織を作る一細胞。
生物学と組織論がオーバーラップする妙を感じます。
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ところで、先日読んだ小説にこんなフレーズが出てきました。
―なにもそれは臣下としての立場にこだわるわけではなく、自分が存在することが、
なるべく多くの人の幸福になればよいと心底から希(ねが)えば、
おのずと自分の存在のふさわしいかたちがみえてくるものなのである。―
(宮城谷昌光 『孟夏の太陽』より)
春秋戦国時代、晋の宰相となった趙盾(ちょうとん)の台詞(心情)です。
組織内での自らの振る舞いに関して、こういう想いを抱いている宰相の国は
どんなものだったのでしょうか。
そこで生きていたら、私は趙盾にどういう想いを抱いたでしょうか・・・。
そこで生きていたら、私は趙盾にどういう想いを抱いたでしょうか・・・。
秋の夜長、歴オタの妄想が尽きることはありませんでした。
10月に入ったというのに京都の日中気温は30度近い日が続きます。
体調を崩しそうな気候ですが、どうぞ皆様ご自愛くださいませ。
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