竈に媚びる ~歴オタの自学自習~

2013年09月18日

本日のブログ担当:タカラ(京都営業所の歴オタ)
 
 
 台風18号の影響にて被災された皆様に
 心よりお見舞いを申し上げます。
 
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本日も弊社スタッフブログへのご訪問、
まことにありがとうございます。
 
京都の有名な観光地の一つに 曼殊院門跡 がございます。
京都市内の北東部・一乗寺エリアに位置する
そんなに大きくはない、けれど美しいお寺です。
 
このお寺、ルーツは平安時代にさかのぼりますが
現在の位置に移されたのは江戸時代、
29代良尚親王の時代にございます。
 
この方は、桂離宮(桂川西岸)を造った
智仁親王(初代八条宮)のお子さんです。
桂離宮にてお父様が発揮された芸術的感覚を
受け継がれたのでしょうか。
紅葉のお庭を見るも良し、
襖絵や建物の細工を見るも良しと、
色んな楽しさがギュッと詰まったすばらしい場所です。
 
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もし訪うことがあれば、靴を脱ぐ前に
玄関の上の方に目を向けてください。
それは立派な文字で 『媚竈(びそう)』 と書かれた
額が掲げてあります。
“その奥に媚びんよりは、むしろ竈(かまど)に媚びよ”
読み下すそうです。
 
媚竈の元々の意味は
 高い地位の者よりもむしろ実権を握っている者に媚びへつらう
・・・だそうですが、ここでは
 “奥でふんぞり返っている人よりも、竈の周りで働いている人を
 大切にしなさい”  という意味だそうです。
現代で言う企業理念に近いものでしょうか。
 
額を書いたのは前述の良尚親王。
 
以前お参りした時に見たここの台所(竈)は
とても大きく、広く、つやつやと磨きこまれていました。
  『媚竈』が理念にとどまらず、実施されていたのでしょうか・・・・・・。
実施されていたとすれば、精神的には
とても居心地の良い場所だったのではないかと思います。
 
涼しくなり観光にも適した季節となりました。
そういえば、もうじき中秋の名月です。
 
京都・桂の地は観月で有名な場所とのことで、地名も
『月桂』(中国では月に桂の木が生えているそうです)から
とられたと聞いたことがあります。
 
もし曼殊院や桂離宮を訪れる機会があれば
『媚竈』も思い出していただければと存じます。
 
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【参考URL】
 
★曼殊院門跡ホームページ
http://www.manshuinmonzeki.jp/
 
★桂離宮は予約が必要です
[宮内庁ホームページ 桂離宮]
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
 
★桂離宮より曼殊院に近い修学院離宮、やっぱり予約が必要です
[宮内庁ホームページ 修学院離宮]
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/shugakuin.html

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