名前と記憶と上司と私

2013年08月13日

本日のブログ担当:タカラ(ようやく入社一週間)
 
本日も弊社のスタッフブログにお越しいただきありがとうございます。
今しばらくお付き合い頂ければと存じます。
 
タイトルに本日の内容をなるべく詰め込もうと画策し、
 『酒と泪と男と女』(河島英五)や『私と小鳥と鈴と』(金子みすゞ)を意識した結果
内容がまったく伺いしれないタイトルになりました。これが所謂、本末転倒。
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さっそく本題ですが、私の直属の上司、
この人はびっくりするくらい固有名詞を間違えます。
 
例えば、打合せ中に「▲▲の案件どうなった?」と尋ねられます。
新入社員(入社一週間目)の私は聞き覚えのない名前にビクビクします。
(大事なことかもしれないのに、自分が忘れていたらどうしよう…)と怯えるわけです。
怯えつつも勇気を出して尋ね返し、2~3回のやり取りの末、
………全然違う名前だった時のこの脱力感。
 
どれくらい違うかと言うと、
 一文字もあってない。
 それどころか文字数もあってない。
正解に辿り着いて助け舟を出してくださった先輩凄い!偉い!感謝感激雨あられ!
あとビクビクした私が可哀相!
 
その内お客様の目の前で間違えるんじゃないだろうかと、日々ヒヤヒヤしております。
私なら、名前を間違えられたらムカムカしますので。
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ところがこの上司、腹立たしいことに「聞いた話は忘れない」のです。
 ※注:この“腹立たしい”には(羨ましい)とか(悔しい)が多分に含有されております。
 
固有名詞は忘れまくり、それどころか全然違う名前を上げ、
スタッフの頭にハテナを大量生産するくせに、
求職者の方(仕事を探している方)や人事部の担当者様との話の内容を細かに覚えているのです。
スタッフ内での会話でも、話した方が忘れていたような小ネタをちゃんと覚えています。
 
恐らく、【意味記憶】は苦手で【エピソード記憶】は抜群に優れているのでしょう。
 
【意味記憶】とは知識の記憶です。
 例えば「ミカンはかんきつ類」のように学校の授業で覚えることです。
一方の【エピソード記憶】は体験の記憶です。
 「お父さんに叱られた後、泣きながらおばあちゃんの家でミカンを食べたのは雪の降る日だった」と
 体験したことや、あるいは心揺さぶられながら読んだ小説の内容がこちらに当たります。
一般的に喜怒哀楽を伴って覚える【エピソード記憶】の方が定着すると言われています。
 
自分の話した内容を相手が覚えているということは、
自分の話に喜怒哀楽を感じてくれた、それほど熱心に聞いてくれていたということです。
嬉しくなるのも通りです。
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個人名を間違えておぼえるのはよろしくないと思いますが(むしろ悪い)、
話の内容を覚えているのは熱心に話を聴いて、
履歴書に載っていない『人』らしさを見ているからかもしれません。
 
或る意味良い事かもしれない。固有名詞は先輩が覚えていらっしゃる。
そう言い聞かせつつ、上司を腹立たしく思いながら、今日も新入社員は仕事をしております。

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